特捜戦隊デカレンジャーEpisode.23「ブレイブ・エモーション」

今回のあらすじ:ヘルズ三部作完結篇。先週の湿っぽい結末とは一転、一週にして日本晴れに持っていく展開はあまりに見事。デカレンジャーは解散の危機とともにここまで築いた番組形態が崩れるというピンチも防ぎ切ったのであった。
OPが変更された。Let it to goのところにデカブレイクが入り、ロボ犬が駆けるシーンがカット。マーフィーK9、なんとも哀れ。
最初はデカルームのシーンから。ドゥギーと対面する鉄幹。ドゥギーに対する態度は本心かそれとも媚び?相変わらずバンを筆頭とするデカレンジャーとの関係は険悪。しかし一週間で大分こちらの頭も冷えたのか、上官の命令は真っ当だなと思えるようになってる。まあ普通に任務完了したらデカブレイク帰れ!ってのはまだあるけど。ジャスミンの問いに対し、鉄幹は幼き頃二親を亡くし、宇宙警察に引き取られ英才教育を施されたとさらりとのたまうドゥギー。これはかなり良かった。設定にもあった内容*1だがこの事実をデカレンジャーに明かすために一話も取られてたらたまらないから。ただこの内容はすぐに次の場面の伏線になる。メカルームでの鉄幹とスワンの二人の場面。スワンには本音を話す鉄幹。スワンさんが鉄幹にいい事を言う。スワンさんいいよいいよー。年の功ってやつだね。(失敬!)まあ大分子供たちにも分かるよう噛み砕いた表現になっていたが、要は「ミエナイチカラ」メンタル面も発揮するパワーに大きく影響しているってこと。これに対し、ナンセンス返しはしない鉄幹。そう、彼は母性愛に触れたことがなかったのだ。このシーンが後続部分の美味いスパイスになってくる。デカベースを出て行くシーンではまたデカレンジャーを憤らせるが、見ている側は「まあ一人でせいぜい頑張りな」にとどまったことだし(笑)
デカブレイクVSブリッツ&サキュバス。スロットルが武器ってのは普通にカッコイイな。リアルに互角な戦い。壁の壊れ方が安っぽい。デカブレイクサキュバス姐さんに容赦なく攻撃を加えるあたりは余計に感情が入るとちょっと出来ませんものね。ブリッツがサキュバスを囮にする形で、デカブレイクサキュバスを魔方陣に包み、その中で二人を苦しめる。ヘルズ兄妹の仲間割れ*2にビビるデカブレイク。叫びがショボイデカブレイク。それにしても面白いッスね。前半終了。
後半。魔方陣の中でダメージを喰らったデカブレイク。なんとブリッツに追い込まれてしまう。先週デカマスターを遥かに超える強さで、ドゥギー好きの視聴者から多大なため息が漏れたわけだが、一週にしてヘタレ化か?デカブレイク。とどめを刺されそうになるところをバンに助けられる。デカレンジャー登場。あなたたちには無理というデカブレイクに一人一人が意地の台詞を返す。最後のセンちゃんのがカッコよかったぞ。台詞数はバンに遠く及ばないが、ここに男・仙一を見た気がした。必死で戦うデカレンジャーに対しそれを見ているだけのデカブレイクはかっこ悪い。先ほど同様、5人を魔方陣にくるんで丸ごとやっつけようとするブリッツ。デカブレイクにも耐えられなかったあの攻撃。誰もが無理だと思う。が、5人の力で魔方陣をブチ破る。これはちょっと無理があるんじゃないか、な展開がデカブレイクの地球署デカレンジャー評を見事に覆す。「なんか、いい」は短い呟きだが鉄幹のストレートな本心だろう。最近だとデカマスターが来そうな場面でもあったが、5人でこれくらいやらないとデカブレイクは納得しないからな。ようやく6人が力を合わせることになりブリッツをジャッジメント。決着がついたかに見えたが、サキュバスがブリッツに生命力を託し復活させる。最期まで兄想いだった彼女、意外にも先週・今週はジャスミンとの絡みが無かった。しぶとすぎるヘルズ三兄弟の絆。ブリッツはこのまま一旦地球から逃げて、今後も敵として立ちふさがるのかとさえ思った。が、この後はデカレンジャーデカブレイクコンボの独壇場となる。「スワンさん、僕のデカバイクも」やはり鉄幹はスワンのことが…!やばいよドゥギー。一方鉄幹はバンとも意気投合し「センパイ」と呼ぶようになってる。「相棒」こと宝児の心中やいかに。バンの勢いでデカレンジャーロボは鉄幹のデカバイクに跨り、逃げるブリッツを追う。何だかこれまでの常識では考えられないシチュエーションである。ここまで打ち解けると、突っ走るバン−それに半ば呆れ気味の4人という構図も復活し*3、宝児・セン・ジャスミンウメコの台詞にも普段の色が戻ってくる。ウメコの「そこのアリエナイザー止まりなさい」にジャスミン「それで止まるやつがいたら警察なんていらないし」と突っ込むあたりはもう完全にいつものペース。ブリッツを追い詰め「ライディングジャスティスフラッシャー」6人縦に並んだ時はsixからのカウントダウンをちょっと期待した*4。3週間かけてヘルズ三兄弟デリート。デカレンジャー史上に残るであろう猛き強敵であった。
ラストはお約束、「この雰囲気が〜」by宝児な微笑ましいデカルームシーン。音楽はもちろん「メガロポリスは日本晴れ!」デカブレイクは帰った?まあちょっと淋しいと思われるくらいが…と思いきやコーヒー持ってきたの鉄幹かよ!という“スワン落ち”最近役回りが微妙だったスワンさんを引き合いに出すニクい筋書きだね。*5地球署の面々は最近ボスの手を煩わせまくっていたから特凶の地球署一時的駐留はドゥギーの妥当な判断と言えよう*6。ただスワンさんの顔に免じて置いてやるんだから勘違いしないでね。地球署ではぜひ演技も勉強してくれよ、吉田友一クン*7

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踊る大捜査線では真下正義警視がネゴシエイターとしてプロの仕事をしていました。しかしデカレンジャーでそれを務める胡堂小梅さんは予告を見る限り、出前の姉ちゃんにしか見えませんでした(笑)。

*1:テレ朝の公式“姶良鉄幹”の項目参照

*2:実際のところは兄妹間で危機回避のため、こういう掟があるらしい

*3:最近のではEpisode.20が象徴的

*4:ゴッチューのフリ、デカブレイクだけ違う

*5:スワンさんとデカブレイクは白つながりだし

*6:今日のドゥギーは、上司としての働きが光るまさに“ボス”であった。デカマスターはその際、これ以上ないくらいのピンチまで封印するのもいい手です。

*7:“ゆういち”or“ともかず”読みはどっちでしょうか?