野球の伝道師―中日ドラゴンズ・川相昌弘

NHKBS1のドキュメント・スポーツ大陸中日ドラゴンズ川相昌弘選手の一年を取り上げていたので興味深く観ました。目の付け所から構成までいろんな意味で好企画だったと思います。ただ優勝とか主力選手を追っかけたドキュメントはザラにありますがファンとしてはこういうシブイやつを求めていますから。
私としてはオフの早いうちから読売のコーチ就任を蹴った川相選手が落合監督に請われて中日に来たことについて「しめた!」という気持ちが強かったですけど、一方で当初はどうなんだろうという声も確かにありましたからね。しかし川相の加入はチームにどんな強打者よりも大きな有形無形の財産を与えてくれ、それが野手陣の強化即ち優勝に結びついたという事実は誰もが認めるところでしょう。とにかく凄いというか、ホントに野球が好きだから、夢中で打ち込む姿勢があるから一年で「中日の川相」がここまで定着できたのだと思います。
最後に日本シリーズ第7戦が終わるところまで取り上げていましたが、短期決戦、当然出番が少ない選手が出るのはしょうがないです。その傾向は投手陣には顕著でした。川相選手もまた守備機会のみの出場でシーズンのようにバントの機会があればな、とか延長戦で打席が回る機会があればなとちょっと不完全燃焼だったかと勝手に思い込んでいましたが、しっかり見えないところで貢献してくれたいたんだなと。敗戦のあとの余計に燃えていている、来季へ向かっているという言葉は心強かったです。ファンの体質とはいえ日本一を逃して萎えてしまう自分が情けないよ…来季も引き続き中日の一員でいてくれることに安堵しています。投の山本昌広投手とともに年齢に関係なくどこまでも現役でいて欲しいです。確かに35くらいで老け込んで力を余したままコーチや解説者に収まってしまうなんて淋しいしもったいないし、今来日しているメジャーリーグでは有り得ない話ですからね。