声優交代・何処へ行く「ドラえもん」

自分が面白がって見ていたのはもう15年くらい前のこと。これからもたまに観てたけど、原作者の藤子・F・不二雄藤本弘)氏が亡くなってからはアニメも映画も明らかに質は落ちていた。後を継いだスタッフがもともとのドラえもんの概念を踏襲する気があったのかも疑問で腑に落ちない展開も多く、私が思うに漫画やアニメを見て育ち大人になった世代の方が本当の「ドラえもん」のあるべき姿を知っているような微妙な温度差が出来ていた。今年でアニメは25周年だったらしいが特に目新しさも昔の良さもなく、主題歌にW(ダブルユー)を起用するなど更なる迷走は続いていた。
そんな中、25年も続けてきた声優の交代劇。来春までということだが何故終了ではいけないのだろうか。これが藤本氏が亡くなった時にも可能性があった一つの区切りに次ぐ、打ち切ったとしても誰もが納得する2度目の機会だというのに。もう2000年代というと我々が観ていたドラえもんの時代からすればもっと科学の発達した遠い未来の話でした。のび太は当然大人で妻子持ちです*1。もうのび太の息子の世代でアニメ作ってもいいくらいなんです*2。いろんな意味でドラえもんの役目は疾うに終わっています。でもそれは決してドラえもんを否定する発言ではない。当然ドラえもんを見て育った世代にとってドラえもんは伝説であり続けるのだから。藤本氏が生んだ作品は永遠に語り継がれるだろう*3し、今の世代の子供にはそれ相応の今楽しんだり学んだりする番組がある*4。この際、続けることばかりを是とするのは如何なものか。声優の方の希望もあるのだろうが今回続行を決めたスタッフには少しは“終わりの美学”(終わることによってその価値を堅守すること)も理解してもらい再び同じ過ちを繰り返さないで欲しいものである。

*1:厳密には1964年生まれの設定なので今年で40歳

*2:思い切って実写版を作るという手もある

*3:結婚前夜のしずかちゃんの父の言葉etc...

*4:テレ朝にはデカレンジャーのような教訓を与えてくれる立派な番組があるじゃないか!デカマスターがいるじゃないか!