特捜戦隊デカレンジャーEpisode.43「メテオ・カタストロフ」

劣等感。

さすがに殉職はなかったが、宝児ファンにとっては悔しさが残る話。刑事ドラマといえば殉職。Aパートではそんな雰囲気もあることはあったし、一歩間違えれば宝児は殉職していた。しかし話の筋を見ていくと宝児には地球を守り、自分は殉職=つまり自分に命と引き換えに地球を救うことすらも不可能だったという結論にたどり着く。(隕石破壊ミッション成功+生還はともに伴番の手柄だった)俗に言うカッコイイ死に方すら出来ない、それが戸増宝児に突きつけられた厳しい現実だった。「お前は未熟である、と。」バンが殉職したと早合点*1、地球に戻り虚偽の報告*2、スーパークールが感情を暴発させたシーンもバンが生還した以上、刑事として未熟さを示すものと化してしまった。実際、宝児本人が一人隕石に飛び込んだ伴番によって切り離されたロボのシーンで今まで口にしなかった本心を語っている。

  • 「俺の代わりはいくらでもいるがアイツの代わりはいない」
  • 「アイツより劣っているという危機感が昇進試験を受けさせた」
  • 「一回り成長した姿をアイツの前で見せたかった」

皆さんは経験がないだろうか?必死に努力を重ね成績は学校でトップクラスの自分。でもどうしても敵わないヤツがいる。勉強しか取り柄がない自分に対し、そいつはスポーツもできる、学級委員もやるし、女にもモテる。しかも勉強してる素振りなど微塵も見せてないと来た…心の中は嫉妬の渦。いつかはと思いつつ、一度も勝てない自分が全部嫌になってくる。
宝児の思考はこのシチュエーションに大体合っている。確証はないが宝児の口癖「相棒って言うな」は「オマエから相棒と呼ばれるには、オレはあまりにも未熟すぎる」という新しい解釈もできる。もしそうなら初期は宝児が伴番を見下していた構図が見事に逆転しているわけで、伴番は何と恐ろしい男、さすがドゥギーが見込んだ男だという以外にない。更に言えば宝児と伴番はセットで描くといろいろ出てくる面白い関係ではあるが、決してジャスミンウメコのような名コンビというわけではない。それはEpisode.01以来、宝児が伴番のことを認めもせず、割り切りもせずどっちつかずでいるからだ。バンは一癖も二癖もある男、同僚にいたらなかなか難儀しそうなタイプだ。デカレンジャー(♂)にはまずデカグリーン・センちゃんがいる。前回、今回と出番が少なく弾かれた感があるが、伴番のペースに引きずり込まれず、宝児のことも冷静に見ている。それでいて自分の世界を持っている。センはなかなか賢い男だ。もう一人、デカブレイク鉄幹。彼もまた賢い。登場時はバンと対立しかけたが、一週でそれは損だと読んでか読まずか一転“センパイ”とバンを立て、自分は後輩にキャラ設定してもらうという変わり身の早さ。それなのに宝児は同じ網に絡まったまま、スタート当初からバンという迷宮に陥り、常にバンを横目に行ったり来たり…この障壁ゆえに宝児の成長は他メンに比べ頭打ちだ(演技は成長しています)。少しの加減で狂った歯車は戻るはずだが、落とさずに済んだ命、あと数回の限られた時間で本来の“自分”を見出して欲しい。あなただってonly oneなんだよ、宝児さん。

オールスターはいいことだ

21歳の木下あゆ美扮するジャスミンは今週も絶好調。ラスト牛角のシーン、肉を頬張った顔(静止画)が凄いことになってました。ロボのオールスター:デカレンジャーロボ(←デカマシーン×5)+デカバイクロボ(←デカバイク)+デカベースロボ(←デカベース)+デカウイングキャノン(←デカウイングロボ)=オールスターアルティメットバスター。凄いことになったがまだ増えるのだろうか。ロボ集めてる子供達のほうが飲み込み早そうだ。久々登場デカベースロボ、あれは愛の巣ですか。デカマスター、ロボに乗るだけかいとため息だったデカマスターファンにX'masプレゼントだ!来週は地面に降りて百鬼夜行をぶった斬るぞ!Episode.44「モータル・キャンペーン」アリエナイザーもオールスターズ&踏まれる犬…もう息抜きはnothingのTarget Lock!!

*1:自分の相棒はそんなに死に急ぐ男だっただろうか?彼は不可能を可能にする男じゃないかetc...は十分考えられた

*2:さすがに虚偽は言い過ぎだが、セン・ジャスミンウメコ・テツ・ドゥギー・スワンのうち何人が本気で信じただろうか