3年B組金八先生 最終話

先週の放送は一時間でしたが、なかなか良い内容でこれで終わりにしてほしいと思ったくらい微笑ましい光景に溢れていました。
で、今日の最終話も結論から言えば先週と同じトーンで1時間枠か延ばしても75分で上手くまとめられる内容でした。4時間は当然のことながら厳しかった。しかも最後だからということでこれでもかというほどに原作の小山内美江子氏の思想が多分に反映されている様に思え、閉口した。更にBGMが数々のシーンをダメにするような間違った使われ方をしていた。
金八先生が教師を辞めるという話題は結局のところ大して広がらなかった。本当に先週の続きかと思うくらい広がらなかった。先週までは上手く金八の老いであったり、子供や生徒との心の乖離に悩む姿が上手い具合に伝わり、金八の辞意もまた真実味を帯びていた。なので今シリーズで幕を下ろすそれなりの結論は出ると思った。しかしドラマの部分でも2.5hはあった最終回はというと第5, 第6シリーズの波瀾の展開にも及ばない、今シリーズ終盤から予想された静かな幕引きにも属さない非常に単独で浮いてしまう拍子抜けものだった。
それでも最後の一時間は卒業なんだ、金八なんだなと思うことは出来た。はっきり言って卒業式から観ていれば十分だった。ラストがあまりに予想の範疇だったのはまだいいとして、できれば覚醒剤取締法違反で捕まった人間の罪を軽くしようと奔走する生徒の姿は観たくはなかったという後味の悪さは残った。麻薬の恐ろしさを知っていたらこういう行動に及ぶのはどうなのか、仲間に一番望むことは卒業式に力ずくで出しにかかることなのかくらいは考えて解っていてもらいたかった。今の若者の感覚=ゲーム感覚(勝ちとか負けが決まらないと何も出来ない、気が済まない)と決め付けるような動機付けもいかがなものか思った。濱田岳のキャラは最後まで好きになれなかったけど、良い役者になりそうだとは思った。答辞も演技力で勝ち取ったような気がする。
TVドラマというフィクションにおいて第1回と最終回はどうしてもいただけないものになってしまうことが多い。それはこの二回だけが<フィクション=非日常>から<ノンフィクション=日常>への出入り口、橋渡しの役目をしているからであるが、そこに起る不自然さや極端さをいかに中(二話目〜セミファイナル)の展開とうまく繋ぎ止められるか作り手が試されるわけだが、今回は非常に劣悪なパターンだったと言える。
ただ金八を次世代アイドル予備軍の宝庫という捉え方からいけば、今回もそれなりの役目を果たしたといえるでしょう。次のシリーズへの制約が全くない状況は喜ばしいと思うので、第8シリーズやれるものならやってください。今度はオール清水有生の脚本で小山内美江子からも足立二中からも平原綾香からも離れた新しい金八が作れそうな気がします。そして今度こそハロプロから生徒役を出しますよ。夏焼雅菅谷梨沙子がお世話になります。良かったらまた3年後くらいに会いましょうね。