東北勢、散る

今年の「白河」も潰えてしまったか…
聖光学院仙台育英もいいチームだった。
今日に限って言えば、歳内投手が前二試合みたいなピッチングが出来ていればな。相手がラスボス級なわけだから簡単にはいかないわけだけど、もう少し粘れたらと思わざるを得ない。歳内投手はもう一回チャンスがあるので、ぜひ来年の全国制覇を目標に明日から始動していただきたい。待ってるぞ!
今年の聖光は同じベスト8でも広陵履正社、天理のブロックを勝ち抜いてのベスト8、以前敗れた広島代表、大阪代表にリベンジを果たしたという点では価値が違う。前年準優勝、今年もベスト8の新潟と合わせて一皮剥けたと言っていいだろう。毎回東北や仙台育英が出て宮城代表と加えて来年の期待を持たせてくれる存在が増えた。
仙台育英は開星戦の9回の攻防が今大会のハイライトだ。ABCの高校野球のテーマソングである「あとひとつ」の重み、「あとひとつ」で起こせる奇跡を実感する試合だった。3回戦は従来の木村→田中のリレーを逆にした采配はどうだったのかと思うが、興南を4点に抑えたことは一つの収穫だったと思う。
ここ数年、抽選時の東西のブロック分けがなくなったようにもう全国の戦力差がなくなったという話もある。そう信じさせてくれるチームも増えてきた。しかし完全にそうなったと言えるのだろうか。中でも変わってないことを実感するのが実況のアナウンサー、解説のコメントだ。いまだに東北勢が勝ち進むと「番狂わせ」「面白い展開」「意外な結果」などという言葉が普通に出てくる。過去の戦績がそうだからと言われればそれまでだが、全国向けに平等に報道するはずの公共放送から悪びれもせずにそういった評が聞かれるのは、いい気分になれないものだ。
今後は底辺部の底上げが必要になってくるだろう。一皮剥けた福島、新潟に対し山形、秋田の野球からは県大会を勝ち抜いて甲子園の土を踏んで…そのあとのビジョンが見えてこない。せめて一回戦サヨナラ負けでもいいから、全国に向けてこれまでとは違う姿、あっさりと完結しないドラマを来年は見せてほしい。聖光は負けから学び、他校から学べば強くなれることを甲子園で証明した。そこに進化のヒントがあるのではないだろうか。