津軽海峡越えに賭けろ!駒大苫小牧/東海大甲府・佐野恵太投手→捕手観戦記〈最終回〉―第86回大会・15日目②

第15日《準決勝》
第2試合: ●東海大甲府(山梨) 8 - 10 駒大苫小牧(南北海道)

こちらは出掛ける用事があったためラジオで。テレビが置いてある所にいた時間もあったので少し画像も見ました。
さあこの試合、東海大甲府は昨日完投した佐野投手ではなく岩倉が先発、駒大苫小牧の先発は岩田でも鈴木でもなく松橋未樹拓也投手という意外な顔合わせでした。2,3番手投手の投げ合い、もともと打撃がウリのチーム同士ということで序盤から試合は荒れ模様。駒大苫小牧は2回裏2点先制するも、3回表逆転を許し松橋→鈴木にスイッチ。東海大甲府も3回に7番岩倉投手の1打席目で早くも代打を送り、それが功を奏し上手く逆転につなげます。3回裏、3-2と東海大甲府が勝ち越したところで背番号1・佐野が2番手で登場。勝ち越したところでエース投入、流れを自軍に持ってこようというのが村中監督の意図だったんでしょうが、過去に日大三高、涌井の横浜を倒してきた駒大苫小牧打線に佐野投手が打ち込まれ思惑が完全に外れてしまいます。佐野投手は3回に2点、4回に3点を奪われ今大会で一番不本意な内容。リズムの良い投球が信条だけに波に乗る前に2回に既に勢い付いていた打線に捕まってしまったというところでしょうか。残念!佐野投手4回で降板。普通ならここでベンチに下がり夏の終わりがちらつく中、仲間の応援に精を出すところですが・・・
なんと5回から佐野投手君、マスクを被りキャッチャーのポジションに就きました。これは驚き、確かに佐野投手が投げるたび実況のアナウンサーが

野投手、去年の秋はキャッチャーのポジションを務めていました。
それから捕手が育ってきて、また背番号「1」に戻りました。

この事を口を酸っぱくして言っていたんですが、まさか本当にマスクを被るとはね…6年前、背番号「2」でキャッチャーからピッチャーマウンドに立った滑川高校の久保田智之選手(現・阪神タイガース)を思い出しましたが、その逆パターン。背番号「1」のキャッチャーなんて過去にいただろうか。しかし、何故加藤・栗山二人の捕手を下ろしてまで佐野を捕手起用したか?「佐野本人が自分からやると言い出した」というのもマウンドで我の強そうな素振りを見せていたんで有り得なくはないですが、「昨日5の5で打撃好調の佐野を打線から外したくなかった」と仮定するのが妥当でしょうか。*1
しかし三番手投手・三井と三番手捕手・佐野のバッテリーでも三失点と奇策実らず。一方駒大苫小牧の二番手左腕・鈴木康仁投手。日大三高戦をロングリリーフで勝利に導いた立役者ですが、4,5回を無失点に抑えたのが大きかった。6,7回は2失点ずつしましたがリードを守って三番手の岩田へリレー。7回2/3までを二人の投手で持ちこたえたのが最後まで効いた。東海大甲府は4番手・穴水が6,7,8回を無失点。打つ方も聖光学園(福島)戦で見せた粘りで3-10を7-10に詰めて、9回を迎えます。楽な場面ではありましたが東海大甲府は結局穴水が一番の好投だったようです。投手の頭数が多いと戦略は増えますが必然的に継投も難しくなります。連戦ともなればなおさら勝敗を分ける大きなポイントを監督が握ることに。今回も継投の難しさが垣間見えました。
9回表の途中で帰宅。最後は駒大苫小牧のエース岩田に対し、ランナーを置いて東海大甲府のクリーンアップ3番清水、4番仲澤、5番宮地を迎えるラストバトルに相応しき場面。岩田は4番仲澤にタイムリーを打たれ、8-10、9回表二死1,2塁、長打で同点の場面で背番号「18」のセンターでベスト4進出に大きく貢献した宮地。結果は三振で岩田に軍配。この瞬間、北海道勢史上初の決勝進出という新たな歴史が創られました。そしてまた、駒大苫小牧の校歌が甲子園に鳴り響きました。佐野投手も最後は捕手まで務めて甲子園を沸かせたのはもちろん私の心を躍らせてくれました。今夏の忘れられない選手の一人となりました。佐野君、本当にありがとう。

第16日目《決勝》
済美(愛媛)  13:00  駒大苫小牧(南北海道)
  • いよいよファイナル!「魔法」VS「旃檀林」

準々決勝第1日、共に勝利を収めその校歌の違いを日記でクローズアップした二校が決勝で当たることに。第2試合の内容を見る限り、これで済美に勝てるか?という見方が大半を占めるでしょうが、その際、駒大苫小牧津軽海峡越えに全てを賭けます。その方が東北地方の高校にも刺激になるよ、きっと。今度優勝旗は苫小牧→仙台のフェリーで東北地方へ!ってこれは冗談ですが。最後にあちこちのブログで済美高校歌の歌詞が出ていたので、それに対抗して駒大苫小牧高校歌を置いておきます。校歌は母体の駒澤大学と共通だそうなので、案外そっちで知っている方も多いのかもしれない。
頑張れ!駒大苫小牧

駒大苫小牧高校歌
作詞:北原白秋 作曲:山田耕筰

新人立てり 立てり 竹は波うつ
晴れたり この空 この我が駒澤
漲(みなぎ)る緑は光と渦巻く
旃檀林(せんだんりん) 旃檀林
時代は正(ただ)しく飛躍し来れり
捉えよ輝くこの現実
我等が校旗は雲と起(おこ)れり

*1:実際どうだったかはそのうちスポーツ記事を通じて伝わるでしょう。