特捜戦隊デカレンジャーEpisode.42「スカル・トーキング」
宝児の「相棒って言うな!」を言った回数は番組の面白さに直結する
荒川稔久脚本はキャラクターの本質を捉えるだけでなく、キャラクター同士の絡ませ方が絶妙なのが素晴らしい。ここまで見応えのある宝児と伴番の美しきコンビプレイを見たのはEpisode.04「サイバー・ダイブ」以来だ。最近は何かと伴番中心に書かれている本が多かったような気がしたが、本来デカレンジャーのリーダーは宝児であり、伴番はウメコとともに宝児に茶々を入れるような役回りだ。そんな宝児のリーダーとしての存在感が光った秀逸なエピソードだった。
今日のエピでは宝児の妹*1の存在が明らかになった。はじめOPで『戸増美和』のテロップを見たとき姉貴かな?と思ったら、妹でした。しかも妹は今日は結納を交わす日だという。今の時世随分早い結婚だ。美和の年齢は20〜22歳くらいだろうか。兄の宝児は意外と高い年齢設定なのかも知れない*2。この戸増兄妹には親が居ないらしく、美和にとって宝児が唯一の身内、どうしても相手の親との対面に立ち会って欲しいという。だが、折りしも宝児は隕石で危機に晒された地球を守るべく、アリエナイザーを捜査している最中だった。ここで伴番は例によって俺らの力でやれるから相棒は妹の元に行って来い、と。しかしここからが宝児の真骨頂だ。さすが以前金バッヂに手が届くところまで行った刑事・戸増宝児だ。伴番の言葉を押し退け、事件の早期解決の先頭に立ち、いつも以上に燃えていた。伴番が宝児のいる地球署に赴任して彼を相棒と呼ぶようになってから*3、今に至るまでの『相棒伝説』の伏線がうまく生きていて、初めからここまでずっと観てきた者には堪らない展開。『相棒って言うな』と言いながら伴番とともにニカレーダを追い込むシーンなんかいいね*4。ニカレーダデリートの後、すかさず鉄幹の援護に行くぞ!というのもいい。苦戦を強いられていた金バッヂの鉄幹に対し、助けに来た宝児が頼もしく見える演出もいい。コンプリートの後、伴番がロボをそのまま動かし妹の元に急行するのもいい。彼の優しさには泣けるよ、マジで。間に合った宝児に美和は「遅いよ、お兄ちゃん。いい相棒さんがいて良かったね。」宝児「相棒って言うな。」。「スーパークール」「よっ、お兄ちゃ〜ん」「照れんなよ、相棒」上から囃すデカレンの仲間達も微笑ましい。婚約者の北山さん、目立たなかったけど宝児が義兄になるなんて羨ましいね。美和ちゃんを幸せにしてね。
ここで終われば万々歳なのに、まだ7:54分。何故宝児の回に限って…次回への伏線が。アブレラがようやく本気になったようだ。「本当の恐怖」だとか。特捜戦隊デカレンジャーは今日がEpisode.42、残念な話だがもうそう多く回は残っていない。しかしここまでは何等『終局』へ向けた動きは見られず、毎回主役入れ替わりでアリエナイザーをデリートし個々の事件を解決してきた。が、最後の1分でいきなりこの緊迫感。遂に来るべき時が来たのか?