コードギアス 反逆のルルーシュ STAGE 23 「せめて哀しみとともに」

ユーフェミア・リ・ブリタニア、可憐に散る。。
大方の予想通りルルーシュに撃たれるも、スザクに護送されギアスに抗って争いの種残して、もう話の流れのために全てを捧げた子でしたね。少しでも、少しでも救いとか報いとかあったらと思うんですが、多分ないです。人は大事な者を亡くすと憎しみ、怒りを増幅させ、争いへ身を投じることを厭わなくなります。今回もいざユーフェミア弔い合戦と意気込む姉のコーネリア総督・元騎士の枢木スザクのブリタニアと、ユーフェミアの殺戮行為に蜂起した日本軍と転がり込んだ流れを上手く使い、合衆国日本をぶち上げながら世界浄化のために破壊と喪失を企むゼロ。元々破壊や喪失の論理は思考の停止したどうしようもない悪者の専売特許だったのが、ここではルルーシュが大事なものを持ち、失い葛藤をしながら理に適う形で世界を手にかけようとしているという構図が面白い。
もちろんユーフェミアは両者を勝者と敗者に別つことを望まず争いを止めて欲しいはずだが、あえてどちらの勝利が彼女の名誉とその回復に益があるかというと意外とこれは彼女が与していたブリタニアではなく、真相を知っていて悪ぶっているけどナナリーのこともあって罪の意識は相当に持っているルルーシュのほうかも。とにかくユーフェミアを悼む気持ちのあるものは目先の敵討ちの名目に騙されてはいけない!スザクがどれだけユフィとの最期の会話やV.V.(ヴィツー:いきなり現れたリズム君系棒読み坊主、C.C.の弟か?)に何を吹き込まれたかで彼にも何かユーフェミアのために出来る事はあるのかもしれないが、ゼロの正体も知らない以上「アンタって人はぁぁぁ!」キャラに堕ちる可能性だってある。ユフィはもう少し生前にスザクとコミュニケートしてれば何かしら遺志を託せていたはずだが、ギアスの力に苛まれながらよく「スザクは日本人ですね、お願いだから死んでください」と言わずに済んで胸を撫で下ろしたくらいだからそんなことは無理だな。最後に「死んで」って言わせなかったのはギアスの謎の伏線でもあるが、脚本家のせめてもの良心と取ってもいいかな。
そもそもユフィが気まぐれで学園祭になど来ていなければ、ユフィの命、ユフィの命によって失われたイレヴンの命、これからSTAGE 24, 25の戦乱で失われる命…一体幾つの命が失われずに済んだのだろうか。それとも避けられない最悪の結果への道にユーフェミアが居合わせてしまっただけなのか。哀しき平和主義者ユフィを遺し戦いは今夏まで持ち込まれることになる…10月から続いたこのクールでの最後の放送ということでEDは特別仕様。水入りになるのは惜しいがユーフェミア騒動を引き金に大詰めに持っていきルルーシュV.S.スザクが整ったところで引きというのは、残り二話への期待が大きく膨らむところだ。ユフィのことも時々思い出しながら質の高いもの、納得いく結末を作ってくださいね。