Myself;Yourself(終)#13「きずな」

昨日ダ・カーポIIの最終話見てああ、バンドエンディングか。重ならなければいいなと思ったが、蓋を開けてみたら、まだバンドのほうがよかった('A`)
先週の話見て慌てて作ったような構成のくせに、すごく書いた人だけ満足そうな顔をしてそうというか、正直スクイズのバッドエンドでもefのハッピーエンドでもない今年一番しっくり来ない最終回でした。まあそこかしこにネタが仕込まれていて、あまりにぶっ飛んだ回もあったから観ている側の機運が一方的に上がった感は無きにしも非ずだけど、もう少し応えて欲しかったよ。
菜々香の過去のことだけど、やっぱりいきなり感が命取りでした。若月双子のときもいきなりだったけど、あれは明かされてから駆け落ちまで随分時間割いたからね。それでこっちに皺寄せが来たというか、駆け落ちした時点でほぼ命運は尽きてたんだろうけど、複線重視していた割りに火事の真相を初登場後5分で死んだヴァイオリンの先生と菜々香の両親の関係の拗れに押し付けるのはいかがなものかと。しかも最終話で出てきた菜々香の両親というのが仮面夫婦シュナイゼル殿下とユーフェミア皇女って力入れるとこ絶対間違ってるから!まあキャストで持っていた作品とは言えるけど。菜々香の実父はヴァイオリンの先生のほうでそれなのに違う人と結婚し、娘のレッスンにかこつけて男ともしょっちゅう会っている母親が一方的に悪い、義父だった夫はむしろ被害者なのに、なんか虐待シーンとか入れて完全に悪い人扱いで放火の加害者も彼でした。やっぱりこういう事情が隠れていたにしても中途半端過ぎてここはおじ様か菜々香のどちらかで収めるべきでしたね。菜々香がしていたというのが一番過激な展開でしょうが、失うものはないわけだし賭けに出てもよかっただろう。そもそも発火場所とかガソリン撒いた跡とか火事の実況見分で分かりそうなものだけど。
菜々香はショックで部屋から出てこなくなり、佐菜とも会わなくなります。雨の日も風の日も神社を訪ねる佐菜。ある日部屋で呼んでも返事がなく開けてみたら菜々香がいない。菜々香は風呂に入っていた(まずここで肩透かし)が一向に出て来ず、開けたところリストカットしていました。
不謹慎ですがここは伝説を作るか否かの別れ目だったと思うけどね、リストカットのような自傷行為は、自殺が念頭にあるものじゃないと言われています。ここは複線との繋がり優先で、佐菜の腕時計で隠していたのはリスカ痕、まあ大正解だったな。その事情が中学校でいじめを受けて転校してもダメで高校では引きこもって…と思ってたより深刻だった。かつて過ごした地に戻ってきたのもどうしようもなくなった末、ここならやれるのではというのが理由だったようだが、本編では普通にギャルゲの男主役やってたけどね。それほど選択肢の間違いもなく…しかも外界から遮断されて出てくると異性と接するのが一番怖いと言われているのに、彼にそんな設定入れたのは矛盾していて無理があったと思う。
まあそんなこんなでリスカで繋がった二人はそれをきっかけにキズを嘗めあう関係となり、親交を深めていったと思われるが、これでPTSDのようなものが治るようなものなら、精神科医もカウンセラーも要らないし、誰もそんなに苦しんでいないわけだがな。いささかマジになりすぎてるのは分かっているけど、タスケテの血手紙とかリスカ痕とか明かした上でそれからの関係なり葛藤を描かないと逃げなわけだが、隠してる時間ばかり長く、挙句の果てに逃げてしまった…よりによって10年後に。
最初のカットは6話に出た雛子のマンション。幼女の雛子は20歳か…正直萎えた。歳食った割りに胸も声もそのまんま宮崎だし。5歳下の彼氏は以前出てきたとすればアニメンジャーショー回で一緒にお化け屋敷回った男の子か。桜乃杜公園がなくなるとかこんなこと言ってたっけね、7話で朱里が発起人で署名をという話だったのが、学校で問題にされ父と口論になり…いつの間にか双子の駆け落ちにすり換わっていたから忘れていた。麻緒衣ちゃんの話だとあさみが尽力したということだから、恐らく駆け落ちの責任の一端を感じ、贖罪の気持ちで朱里の活動を引き継いで守り抜いたということだろうが、さすがに説明不足。そんなことできるなら、朱里とあさみの和解のシーンはあって欲しかった。
その朱里だが、修輔とエンドの舞台になった桜乃杜自然公園の菜々香コンサートには来ていたようだ(ミサンガで判断、顔は映らず後ろ姿だけ)。でも子安とゆかりんは一切喋らないし、誰とも顔合わせてないから忍びで来たという感じかと思えば、小清水の再会の台詞に被せてるからこれも察しろということか!なんかまだ親との関係は断絶したままこの街にも戻らず、友達にも顔を合わせずではいい10年だったとは決して言えないだろうなって取られても仕方ないと思うけど。駆け落ちはノリノリでさせといて、10年も経過させてこのワンカットで丸投げはないよね。佐菜は菜々香にプロポーズしたようですがそんなの関係ねえ!つーか普通に演奏して普通のエンディングかけやがったよ。Cパートと提供後のケーキも意味ないし。なにかおしまいだバカ野郎!(←あくまで南千秋的な意味で)
さてハートフルラブコメ(笑)だったわけですが、皆様いかがでしたか、ハートフルになれたでしょうか?*1
最終話的には

  1. 火事の事情のことは?
  2. 佐菜の事情のことは?
  3. 10年飛ばしたことは?

という感じで最後に失速したのは誠に遺憾ですが、とりあえず11話まではオススメです。7〜11話の流れはとにかく盛り上がりました。1〜6話はコメディ&ハートフル路線で楽しめます。ではどこで間違えたのか?それは私が一番聞きたいところですが、7話で無理に舵を切った結果バランスを崩したか、菜々香を途中放置しすぎたか、もっとすごい展開だったのに最終話放送休止を恐れて差し替えがあったかは知りませんが、強いて言えばテーマに一貫性はなかったか。とりあえず声優は豪華だったよね。

*1:一説によれば、ハートフル=hurtful (笑)