狼と香辛料 第4話「狼と無力な相棒」

賢狼ホロに会って旅するようになってから、ノリノリのロレンス。そろそろ落とし穴が待っている、サブタイからして商売にしくじって大損でもするのだろうかと予想していたが、彼が失ったのはもっと大事なものだった…アッと驚く急展開の第4話でありんす。
ロレンスには店を出すという夢があった。商人は旅業ではなく、ひとつの場所に落ち着きたいものなのか。武器屋トルネコなんぞも思えばそうだったかや。ロレンスの思いは店を構えての、嫁探しにまで馳せることに。仮とは言えこんなに過ぎたる嫁がいるじゃないか!と言いたいところだが、商人の頭はもっと現実的な将来ビジョンを描いていると見える。わっちはちょっと困りんす。ロレンスの旅が終われば、それはホロとの別れを意味する。あまりに上手く行きすぎていることがロレンスに自分とは違う道を見ていることを知ることとなってしまったようで、若干の淋しさをおぼえるホロ。ロレンスは北に送るくらいまでは付き合うと言ってくれるもの、二人の間にはこれまでにない距離が感じられた。
ゼーレンの裏にはメディオ商会ありと突き止めたロレンスとホロに敵の手が!さすがに貴族がバックにあれば商人でも容赦はしないようだ。ホロが感づいたお蔭で、建物から逃げミローネ商会へ駆け込むべく走る二人だが、ロレンスのたじろぎ具合がまさに福山潤の真骨頂。平時は理詰めで隙がないが、有事に直面すると一転テンパりまくりです。ホロがマジ勇敢で自分が囮になると、商人のロレンスがミローネ商会へ行き着かないことには意味がないといって説き伏せられたロレンスだが、やはり無力を痛感せざるを得なかっただろう。しかしつい先週まで、銀貨の価値の上げ下げを語っていたそろばん稼業の商人にこの窮地はあまりにもシビアであったことは言うまでもない。
むしろロレンスがミローネ商会に逃げ込んでからの商人とのやりとりが、一番このアニメらしい下りだったと思う。ホロは結局捕まってしまったが、商人は常に損得勘定、利で動く生き物ゆえ、「なぜ」ということを徹底して追求する。メディオ側はロレンスを逃げ込ませた以上、ホロを捕捉したところでそれ以上の情報や利益が見込めることはないというわけだ。普通の人間の女性であったならば…ホロの付加価値は見透かされたも同然だった。ロレンスはわかっていて自分の代わりに相手の手に落ちた彼女を助けるためには真実を話すしかないと、豊饒の神賢狼ホロが正体であることを明かすのであった―
いや、まさかこんなに早く、こんな形でホロの正体が他人の知るところになってしまうとは…もっと旅や商人とのやり取りが続くと思っていたのにこれは衝撃です。人間の姿をしたホロを伝説の狼とにわかに信じられるかどうか、信じたところで元の小屋に閉じ込められてしまうのか。ホロは賢狼だから、それなりに窮地を乗り切る考えはあるでしょうが、またロレンスの相棒としての旅に戻ることはできるのか。来週も見逃せません。