アマガミSS 第24話(絢辻詞ー4終)「ヤクソク」

いい最終回でした。
心地よい終わり方でした。アマガミSSの絢辻さんはたしかに原作の絢辻さんとイコールではなかったけれど、これはこれで一貫したヒロインとして楽しむことが出来ました。
着地点が素晴らしかったです。23話ラストの「あの子がいなくなった」絢辻さんが、24話のはじめに元に戻ると思いきや、創設祭前日まで続き、Aパートも創設祭も終わるまで引っ張ったのはなかなかの演出だったと思います。もし橘さんが打ち上げの前に絢辻さんを連れ出していなかったら、仮面は外れなかったかと思うと結構怖いですね。創設祭での絢辻さんの働きは、他ヒロインの創設祭時に結構出てたので割愛できたのも効果的でした。
2−Aのクラスメイト達は実行委員並みに貢献しましたね(むしろ他のクラスに実行委員はいたのかと思うくらい)。最後は決して外道な委員長から「やらされたもの」ではない満足感が出てましたし、23話の絢辻VS3人組の顛末をここまで丁寧にかつ、学園ドラマっぽい形でまとめてくれたのはいいものを見せてもらったように思いました。
そして橘さんからの告白。今回は終始橘さんの目線で話が進みました。戸惑い、不安からグッドガイ梅原の励ましがあり、決意と覚悟・・・絢辻さんの重く閉ざされた心を開くには十分な告白でした。橘さんとしては早くいつもの絢辻さんに戻ってほしかったんだろうけど、創設祭への想いやクラスメイトの様子を見て創設祭終了までは待とうと考えていたなら、まさに紳士ですね。
絢辻さんからも創設祭への想い、橘さんへの想いが語られました。絢辻さんは原作の独り立ちして社会へ進む志が強い現実主義者というよりは、創設祭を自分の手で成功させてみんなを幸せにしたいという博愛主義者でした。重いバックボーンが見えてこない、人の損得も考えられるという点でアニメの絢辻さんは大きく違っていたかも知れないですが、限られた枠の中で十分アニメなりの絢辻さん像を提示出来てたように思います。
10年後のエピローグも自然な感じで場面が移って、高2の創設祭を起点に生まれた2人の関係と脈々と引き継がれている創設祭への想いが1シーンでも垣間見ることが出来て微笑ましかったです。始まったころに絢辻さんの番が来るころはクリスマスかと思っていましたが、季節に合った演出がなされその時の期待以上の終わり方でした。
24話終わってみて6人の中で絢辻詞編が一番の作品と思えて良かったです。6人のヒロインの中で様々な模索とアプローチがなされましたが、一番真剣に作っていたのは絢辻さんの4話だったのではないでしょうか。オムニバス形式には1人4話は短いに代表される批判的な声もありましたが、2クール1本の話をだらだらやって橘さんと1名のみしか幸せになれないより全然良かったのは間違いないです。
アマガミってヒロイン6人いるのか、6人分やるのかーというところから半年間本当に楽しませていただきました。あと1話上崎裡沙篇が残ってますが、たった1話でどうにか出来るものではない上、本来あったはずの美也編がDVDに回されての最終話ですから、後味の悪いものにならないようにと願うばかりです。